ガシャーンと音を立て、女が落ちた6階は教会だった。
結婚式用に商業施設のなかに作られたもので、女の後方に十字架、前方に参列席がある。
参列席の通路には、立て膝をついたマシエリが右腕に装着したレーザー砲の義手を女に向けて構えている。
レーザー砲からはコードが伸び、横でパタパタと飛ぶボーグの腹の端子とつながっている。
マシエリの足元には黒いトランクが開いていて、中にさまざまな義手や義足が見え隠れしている。
「平面感知なら精度抜群っ! 外さへんで~」
ボーグがエッヘンと胸を張ると、
「待てっ! ハルフレームについて知りたく……」
と女が右手を前に出すが、マシエリは躊躇いなくレーザー砲を発射した。
うしろの十字架とともに、女が吹き飛び、煙がモクモクとあがる。
「最期くらい潔くしたら?」
マシエリが義手の先を「ふ~」と吹くと、
「ヒュ~。かっけぇ~」
とボーグがたまらず手足をバタつかせた。
「んもう! あんなの撃ってくるから〝お気に〟のスカート、穴開いちゃったじゃないのよう。時計も壊れちゃったしぃ~」
マシエリがスカートの端をつまんで涙ぐむと、
「やっぱ、かっこわりぃ~」
とボーグが目をつぶって首をふった。
(TO BE CONTINUED)