装甲少女マシエリ(完結)

運命とたたかう美少女マシエリと相棒ボーグの物語!

エピソード10 乙女は度胸?

 マシエリ7階の廊下を歩いていくと、とある部屋の前で立ちどまった。


「ここぉ?」


 マシエリが聞くと、「いねーな~」とボーグが短い首を横に振った。


 マシエリが隣の部屋に向かい、ドア前で「ここぉ?」と聞く。


「いねー」


 さらに隣の部屋に向かって、「ここ~?」と聞くが、「いや、いねー」とボーグが答える。


ほんとにいるのお?」


 マシエリが呆れると、


「おっかしーな~。さっきはデカい反応あったんやがな~」


 とボーグが首をかしげたのち、


「あっ! そっちぃ~!」


と大声をあげ、マシエリの背後をバタバタと慌ただしく指さした。


マシエリがふり返ると、テラスに通じる観音開きのドアがあった。


ドアには、すりガラスがはめ込まれていて、空を巨大な影が横切り、一瞬廊下が真っ暗になった。


「ちょっとお……」


 マシエリが怯えると、


乙女は度胸、だろ? GO!


とボーグがドアを指さし、マシエリはおっかなびっくり取っ手を引いた。


                (TO BE CONTINUED)

エピソード9 「いる!」

9階の階段付近でマシエリが「この階?」と聞く。


「いねー。次!」


 ボーグが吐き捨て、マシエリたちは階段を降りる。


 8階の階段付近でマシエリがふたたび「この階は?」と聞く。


「いねー。次ィ~!」


 ボーグが吐き捨て、マシエリたちはまた階段を降りる。


 7階の階段付近でマシエリが三度「この階は~?」と聞く。


「いねー。次次ィ~!」


 ボーグがまた同じように吐き捨てる。


「ねえ、ボーグゥ、ふざけてなぁい? ほんとにこのビルにいるのお?」


 マシエリがジーッと疑いの目を向ける。


 端正な顔がちょいブサになっている。


「んな顔すんなっつ~の。知らね~よ。“広範囲感知”したのは、おめえの時計のほうやろが~」


「まったくう、無責任なんだからあ~」


 マシエリがため息をつくと、


「おめえ、おいらの話、まったく聞いてへんやろ?


とボーグが額に青スジを浮かべる。


マシエリが階段を6階に降りようとすると、


ちょい待ち! いる! この階にいるで~。どーゆうわけか急に反応デカくなりやがった!」


 とボーグが叫んだ。


「マジ!?」


「マジマジ!」


「このまま降りて逃げれないかしら……」


「さっき言ったやろが。マシーンは一旦テリトリーに入ったが最後、壊すか壊されるまで追ってくるってよ~」


「わかってるわよお……。言ってみただけよ」


 マシエリが階段から離れて、トランクを引きずりながら廊下沿いに進み、ボーグがそのあとをパタパタとついていく。


                (TO BE CONTINUED)

エピソード8 止められたエレベーター

屋上端のエレベーター前で、マシエリは下降ボタンカチカチカチと何度も押すが、ランプは消えていて、うんともすんともいわない。


反応ナシ……。電源切られたようね」


マシエリが青ざめると、


「ま、この状況下でエレベーター使って降りるアホはいねーわな。ケケ


とボーグが笑う。


「わかってるわよお。状況確認しただけじゃないのお」


マシエリは頬を赤らめ、エレベーター脇の階段から10階に降りていく。


ボーグがパタパタと飛びながらマシエリの右後ろをついていく。


10階の廊下で、マシエリが


「どう?」


と聞くと、


ウ~ム。この階は反応ねーな~」


とボーグが答える。


「ビル全体を“一括感知”できないの?」


「おめえな~、“機体感知”っつうのは、めちゃデリケートな作業なんやで~。おいらのは、おめえのそのでっけえ時計みてえな大雑把な感知じゃねーんだ。おまけに、生物と機械の中間みてえなやつがごろごろいるこのご時世、“平面感知”半径30メートルってのは、めっちゃ優秀なスペックなんやで~」


「はいはい。ちょっと聞いただけじゃないのお。あんた、シュートメみたいよ」


「シュッ。なんやと~!


9階に降りるマシエリの右後ろを、ボーグが口をとがらせながらパタパタとついていく。


                (TO BE CONTINUED)

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