屋上端のエレベーター前で、マシエリは下降ボタンカチカチカチと何度も押すが、ランプは消えていて、うんともすんともいわない。


反応ナシ……。電源切られたようね」


マシエリが青ざめると、


「ま、この状況下でエレベーター使って降りるアホはいねーわな。ケケ


とボーグが笑う。


「わかってるわよお。状況確認しただけじゃないのお」


マシエリは頬を赤らめ、エレベーター脇の階段から10階に降りていく。


ボーグがパタパタと飛びながらマシエリの右後ろをついていく。


10階の廊下で、マシエリが


「どう?」


と聞くと、


ウ~ム。この階は反応ねーな~」


とボーグが答える。


「ビル全体を“一括感知”できないの?」


「おめえな~、“機体感知”っつうのは、めちゃデリケートな作業なんやで~。おいらのは、おめえのそのでっけえ時計みてえな大雑把な感知じゃねーんだ。おまけに、生物と機械の中間みてえなやつがごろごろいるこのご時世、“平面感知”半径30メートルってのは、めっちゃ優秀なスペックなんやで~」


「はいはい。ちょっと聞いただけじゃないのお。あんた、シュートメみたいよ」


「シュッ。なんやと~!


9階に降りるマシエリの右後ろを、ボーグが口をとがらせながらパタパタとついていく。


                (TO BE CONTINUED)