マシエリが緊張の面持ちで柵の上の女を見つめていると、女は十字姿勢のまま、うしろに倒れ、テラスから落ちていった。


マシエリとボーグは驚いて視線を合わせた。


「でけえ口叩いてたわりに、飛び降り自殺とはなんとも冴えねえラストだったなー、ケケ。ボーグ様に恐れをなしたか~」


ボーグがテラスの端へとパタパタ向かおうとすると、どこからともなく、バダバダバダバダバダバダバダ……轟音が響いてきた。


「なに?」

 

 マシエリが怪訝な顔をすると、バルカン砲のついた巨大軍用ヘリコプターがテラスの先から上昇してきた。


ヘリコプターの側面には、女が機械化して融合している。


プログラム汚染型じゃないの!?」


 マシエリが声をあげると、


機械融合型か~。どうりで平面感知の範囲を超えてたわけだぜ~」


とボーグが悔しそうに言った。


「なかなか面白いコンビだったが、もう終わりだ。アディオス」


ヘリコプターのバルカン砲がマシエリに向けられる。


「マシエリ~、はやく傘~! 傘ぁ~!


ボーグが早口でまくし立て、マシエリは黒い傘の留め金をはずし、先端をヘリコプターに向けた。


                (TO BE CONTINUED)