「早くう……。早くう……」


マシエリが傘の中でつぶやくと、チーンと音がしてボーグの白目が元に戻った。


「砲撃10秒につき、30秒インターバルが必要らしいな~。それを悟らせないためにしゃべってるんやろな~」


「なるほどね。で、どんな対策があるの?」


「そこまでは知らね~よ。おめえが考えろ


んもう! 肝心なとこは、いっつもあたしまかせなんだからあ~」


ヘリコプターが大きく左旋回してテラスから見えないビルの死角に入った。


「あれっ、どっか行っちまったで~。おいらのデータ分析に敗北逃亡か~?」


「のんきなこといってないで、次はからくるか、からくるか、分析予想してっ!」


「んなもん、おめえ、右の確率50パー、左の確率50パーに決まってんやろが~」


「ほんっと頼りにならないんだから、もう~」


ヘリコプターの羽の音が鳴りやんだ。


「え……?」


 マシエリが驚きの声をあげた。


「ヘリの音やんだで~? 墜落か? やっぱし、おいらに恐れをなして逃亡か~?」


「また、のんきなあ……。ボーグは警戒してて、あたし警戒するから」


「オッケ~」


人型に戻り、テラスの真上の屋上の縁に立っていて、


「残念だったな」


とマシエリめがけて飛びおりてきた


「マシエリ、上っ! 上ぇ~!


 ボーグがバタバタ騒ぐ。


「んもう、遅いってえ~!」

                (TO BE CONTINUED)