マシエリは左手で床に転がっている右腕を拾うと右の二の腕にカチッと、付けたばかりの右手左脚を拾うと左のふとももにカチッとくっつけた。


ボーグはマシエリの背中に刺さっているコードをカチンとはずすと、シュルシュルっと自分の腹へと巻き取って収納した。


マシエリは立ちあがると、床に落ちているゴシックロリータ黒い右袖をつまんで、


んもう! せっかくの“お気に”だったのにぃ……」


 と眉間にしわを寄せた。


半袖やと思えばええやないか~」


 ボーグが笑うと、


「なによ、それえ~!」


 とマシエリは口をツンと尖らせた


「ほいっ、傘~


 ボーグがボロボロの黒い傘を差し出すと、マシエリは嫌そうな顔で無言で受けとった。


「礼のひとつもないんかいっ!」


 ボーグが手足をバタつかせると、


「元はといえば、あんたの作戦のせいでしょ。さ、行くわよっ」


 とマシエリは穴だらけの傘を右手でバッと差した。


左手でトランクの取っ手についたヒモをひっぱり、ズリズリと引きずりながら教会の出口にむかうと、


「下の階に3匹目がいたりしてな~。ケケ


とボーグがパタパタとマシエリのあとを追いながら言った。


「ちょっとお、そのジョーク、ぜんっぜん笑えないんですけどっ!」


 マシエリたちの足取りは頼りなげだが、確かなものだった。


                     (THE END)