装甲少女マシエリ(完結)

運命とたたかう美少女マシエリと相棒ボーグの物語!

2013年11月

エピソード14 女の秘密

「早くう……。早くう……」


マシエリが傘の中でつぶやくと、チーンと音がしてボーグの白目が元に戻った。


「砲撃10秒につき、30秒インターバルが必要らしいな~。それを悟らせないためにしゃべってるんやろな~」


「なるほどね。で、どんな対策があるの?」


「そこまでは知らね~よ。おめえが考えろ


んもう! 肝心なとこは、いっつもあたしまかせなんだからあ~」


ヘリコプターが大きく左旋回してテラスから見えないビルの死角に入った。


「あれっ、どっか行っちまったで~。おいらのデータ分析に敗北逃亡か~?」


「のんきなこといってないで、次はからくるか、からくるか、分析予想してっ!」


「んなもん、おめえ、右の確率50パー、左の確率50パーに決まってんやろが~」


「ほんっと頼りにならないんだから、もう~」


ヘリコプターの羽の音が鳴りやんだ。


「え……?」


 マシエリが驚きの声をあげた。


「ヘリの音やんだで~? 墜落か? やっぱし、おいらに恐れをなして逃亡か~?」


「また、のんきなあ……。ボーグは警戒してて、あたし警戒するから」


「オッケ~」


人型に戻り、テラスの真上の屋上の縁に立っていて、


「残念だったな」


とマシエリめがけて飛びおりてきた


「マシエリ、上っ! 上ぇ~!


 ボーグがバタバタ騒ぐ。


「んもう、遅いってえ~!」

                (TO BE CONTINUED)

エピソード13 バルカンの雨と黒い傘

ヘリコプターのバルカン砲がダラタタタタタ……とマシエリとボーグに向けて発射された。


「ヤバいっ! ヤっバイで~!」


ボーグが騒ぐなか、マシエリが黒い傘の開ボタンを押すとバルカン砲が着弾寸前でバッと開いた。


 バリバリバリッと傘に電磁シールドが張られて輝き、バルカン砲がすべて斜め後方にはじかれていった。


 バルカン砲を止め


シールドだと? コシャクな! だが、そんな小細工など時間の問題だ」


女が笑う


ヘリコプターが左旋回しながら再びバルカン砲を打ち始めると、マシエリは傘を向けてシールドで防御した。


バルカン砲が止むと、傘のシールドが小さくなっている。


ハハハ。ほらほら、そのちっぽけなシールドももう破れちまうぞ」


ヘリコプターが右旋回しながらバルカン砲を撃つが、マシエリは小さいシールドでなんとかバルカン砲をはじいた。


くらったらやべーぞ。傘、ぶち破れちまうで~!」


 ボーグが大慌てで叫ぶと、


「わかってるわよお。なにか、耳寄り情報ないの?」


と傘の中でマシエリが顔を歪めながら聞いた。


「しゃ~ね~な~」


ボーグは白目になると、カタカタカタカタと分析を始めた。



                (TO BE CONTINUED)

エピソード12 ボーグの誤算

マシエリが緊張の面持ちで柵の上の女を見つめていると、女は十字姿勢のまま、うしろに倒れ、テラスから落ちていった。


マシエリとボーグは驚いて視線を合わせた。


「でけえ口叩いてたわりに、飛び降り自殺とはなんとも冴えねえラストだったなー、ケケ。ボーグ様に恐れをなしたか~」


ボーグがテラスの端へとパタパタ向かおうとすると、どこからともなく、バダバダバダバダバダバダバダ……轟音が響いてきた。


「なに?」

 

 マシエリが怪訝な顔をすると、バルカン砲のついた巨大軍用ヘリコプターがテラスの先から上昇してきた。


ヘリコプターの側面には、女が機械化して融合している。


プログラム汚染型じゃないの!?」


 マシエリが声をあげると、


機械融合型か~。どうりで平面感知の範囲を超えてたわけだぜ~」


とボーグが悔しそうに言った。


「なかなか面白いコンビだったが、もう終わりだ。アディオス」


ヘリコプターのバルカン砲がマシエリに向けられる。


「マシエリ~、はやく傘~! 傘ぁ~!


ボーグが早口でまくし立て、マシエリは黒い傘の留め金をはずし、先端をヘリコプターに向けた。


                (TO BE CONTINUED)

エピソード11 迷彩の美女

 マシエリが外に出ると、テラス端の柵の上ジーンズの若い女が立っていた。


 背が高く、彩柄ヨットパーカーのフードをかぶり
両手をポケットに入れている。


 パーカーからやや覗く顔は鼻筋が通り、マネキンのように整っている。


「ふ~ん、ドールとボッツの組み合わせか。珍しいな



 女が言うと、



「わりーか、アマ!



とボーグが手足をバタつかせた。



生意気なボッツだ。反抗的だと長生きせんぞ。といったところで、我がテリトリーに入った以上、もう終わりだがな」



「なんやと~。このボーグ様はおめえなんぞにゃ、負けやしね~ぜ~」



「貴様らにひとつ質問だ。
“ハルフレーム”を知っているか? 答え次第では生き延びるチャンスがあるぞ」


「ハルフレームゥ? なんじゃそりゃあ。話聞きて~なら、そっちが先に話すのがスジやろが~」



もう一度問う。ハルフレームを知っているか? そっちのお嬢ちゃん、どうだ?」



「……知らないわ」



「そうか。残念だったな」



 女は柵の上で両足を閉じ、両腕をバッと左右に伸ばすと十字のポーズになった。



「なんやと~、えらそーにコノヤロー



 ボーグが手足をバタつかせる。



 マシエリは背中の鞘から黒い傘をスルリに抜くと、サーベルのように構えた。

                (TO BE CONTINUED)

エピソード10 乙女は度胸?

 マシエリ7階の廊下を歩いていくと、とある部屋の前で立ちどまった。


「ここぉ?」


 マシエリが聞くと、「いねーな~」とボーグが短い首を横に振った。


 マシエリが隣の部屋に向かい、ドア前で「ここぉ?」と聞く。


「いねー」


 さらに隣の部屋に向かって、「ここ~?」と聞くが、「いや、いねー」とボーグが答える。


ほんとにいるのお?」


 マシエリが呆れると、


「おっかしーな~。さっきはデカい反応あったんやがな~」


 とボーグが首をかしげたのち、


「あっ! そっちぃ~!」


と大声をあげ、マシエリの背後をバタバタと慌ただしく指さした。


マシエリがふり返ると、テラスに通じる観音開きのドアがあった。


ドアには、すりガラスがはめ込まれていて、空を巨大な影が横切り、一瞬廊下が真っ暗になった。


「ちょっとお……」


 マシエリが怯えると、


乙女は度胸、だろ? GO!


とボーグがドアを指さし、マシエリはおっかなびっくり取っ手を引いた。


                (TO BE CONTINUED)

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